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2020/04/30 12:26
あわわ編集部

《杉の娘/那賀郡那賀町》作り手が語る徳島郷土の味

徳島で郷土料理と聞くと何を思い浮かべますか?

実際に口にしたことがあるかというと、食べたことがないものもたくさんあるのではないでしょうか?または意識していないだけで、日常的に家庭の食卓に並んでいたのが郷土料理だったのかもしれないですね。

どんな歴史があって生まれた料理なのか、どんな風に作られてきたのか、知ってみたら、より徳島の郷土料理を食べるのが楽しくなるかもしれませんよ♪

地元の食文化を守り続けているお店に話を伺いました!

★他にもあります、作り手が語る徳島郷土の味シリーズ
《奥祖谷めんめ塾/三好市東祖谷》作り手が語る徳島郷土の味
《民宿 うり坊/三好郡東みよし町》作り手が語る徳島郷土の味

杉の娘(すぎのこ)/那賀郡那賀町


元気はつらつ地元グループ『杉の娘』


那賀町木沢地区に『杉の娘』と呼ばれるグループがあります。この地域に住む女性で構成されており、廃校を利用して歌や踊りを披露する「杉の娘祭」を開催したりと、メンバーは元気はつらつ、和気あいあいと過ごしています。

《杉の娘/那賀郡那賀町》作り手が語る徳島郷土の味

▲『杉の娘』のメンバーから6人。小さいころから食べている郷土料理を各自持ち寄ってくれました。 

魚介類はとっておきのごちそう

山に囲まれたこの場所では、流通が今ほど良くないその昔、魚介類は行商でしか出会えない食材。冷凍庫もない時代、持ってくるのは腐らないよう塩漬けしたサバやサンマだけでした。それを豊富にとれるゆずの果汁で塩抜きし、すしに。祭りの日や来客時に用意する、とっておきのごちそうです。

今回もテーブルの上にはサンマずし(この地域では”サイラ”と呼んでいる)、サバ缶のすしが並びます。ゆずの果汁で締められたサンマは、ほぼゆず果汁だけで作った酢飯と合わせて、うま味十分。また、黒豆やニンジンの入った押しずしも、この地域のおもてなし料理だそう。

《杉の娘/那賀郡那賀町》作り手が語る徳島郷土の味

▲サンマずしや押しずしなど。彩り良さにセンスを感じさせる。


「お嫁に行くときは、押しずしの型を持たされるんよ」と教えてもらった。徳島のすしというと金時豆を思い浮かべるが、この地域では黒豆。皆さんは”ささげ”と呼んでいて、家でも作っていたそう。


《杉の娘/那賀郡那賀町》作り手が語る徳島郷土の味

▲おはぎや寒天にも、自宅でとれたものを中心に使う。

山育ちのハレの日のおもてなし

そのほか、干したゆず皮の甘露煮や、山菜であるイタドリの和え物、おはぎに寒天、そば米汁と、山ならではの食材のオンパレードで豪華な内容。どれを食べてもしみじみおいしい。

《杉の娘/那賀郡那賀町》作り手が語る徳島郷土の味

▲昔からお客さんに出す料理は皿鉢に盛り付けることが多かったそう。


「昔はお祭りや何かあるごとにごちそうを用意して、お客さんや親戚に振る舞った。その時に親戚が来れんかったら、料理をお重に詰めて次の日に親戚の家まで持って行ったわ」と目を細めて話す皆さん。



《杉の娘/那賀郡那賀町》作り手が語る徳島郷土の味

▲山でとれたズイキ芋をカラッと揚げて、自家製ゆずみそを添えて食す。

何でも作れるのは母親からの教え

これだけの料理を作ることができるのは母親に教えてもらったからだと言い、「山の生活だと街みたいに出来上がったもんがすぐには買えないから、何でも作らなあかん。でも、山育ちでよかったなあと思う。何でも作れるんじゃけん」と話す。『杉の娘』の佇まいから、山で生きるたくましさと楽しさ、両方を垣間見たような気がします。 

《杉の娘/那賀郡那賀町》作り手が語る徳島郷土の味


『杉の娘』のまとめ役でもある桑高さんが経営する『ゲストハウス杉の子』では、『杉の娘』メンバーの一人・えみちゃんの料理を提供。サンマずしのおいしさは格別なので、ぜひ澄んだ空気の山に訪れてみてくださいね。

※この記事は、2020年GEEN3月号で掲載した内容です。

ゲストハウス 杉の子

  • 住所/ 那賀郡那賀町 寺内字寺内18
  • 電話/080-6537-9319
  • 営業時間/0
  • 定休日/無
  • 駐車場/なし
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