【イクボス コラム01】子育て社員の離職を防ぎ、能力を活かす方法

   

「働き方改革」推進中の今、男性女性に関わらず、
仕事と育児が両立できる環境が望まれています。
そんな中、部下のワーク・ライフ・バランスを支援できるリーダー、
その名も「イクボス」の存在が重要となっています。

徳島県『イクボス』支援プロジェクトでは2019年度、
専門家を招いたセミナーを複数回開催してきました。
「アワログ」では、その一部を抜粋してご紹介いたします。

サイボウズ株式会社 三浦秀寛さんに聞いてみた!
「子育て社員の離職を防ぎ、能力を活かす方法」


●サイボウズ株式会社 三浦秀寛さん プロフィール
サイボウズ株式会社 営業本部松山営業所 所長。「100人いれば100通りの働き方」を合言葉に、離職率28%を4%にまで改善してきた働き方改革のリーディングカンパニー『サイボウズ株式会社』にて活躍。さまざまな取り組みやクラウドサービス活用法を伝授している。

【編集部】「昔は、今では考えられないようなハードな職場環境だったんですよ」と、自社の様子を振り返る三浦さん。ひどいときは離職率が28%になり、毎月のように誰かの送別会を開いていたような状態だったとか。その結果、思うように人材の育成ができず、ノウハウも蓄積されない。当然、会社の売り上げも伸び悩んでいたそう。いよいよ「働き方改革」を推進する決心を固めた同社。そんな折、社長である青野慶久さんに第一子が生まれたこともあり、改革の波は一気に勢いを増したそう。そんな『サイボウズ株式会社』の話をお聞きしました。

Contents
1.離職率改善のために「働き方の多様化」を進める
2.子育て中の社員にも嬉しいさまざまな制度を導入
3.「育児は市場創造である」という社長の強いメッセージ
4.これからの時代は「チーム戦」で人を活かす

1.離職率改善のために「働き方の多様化」を進める

以前のサイボウズでは、離職率が20%前後を推移し、2005年にはなんと28%にも上昇。給与の引き上げや業務の転換などで、退社を申し出る社員の引き留め工作を実施していましたが、一向に離職率は下がりませんでした。

そんな状況から脱出すべく「働き方改革」を進めることとなり、まったく新しい人事制度を取り入れました。それは、「働き方改革」というよりも「働き方の多様化」をモットーとし、「100人いれば、100通りの人事制度、つまり、100通りの働き方があってよい」という考え方でした。従業員ひとり一人の個性が違うことを前提に、それぞれが望む働き方や報酬が実現されればよいというものです。公平性より個性を重んじるのです。

そのベースとして、働く時間の長さや時間帯、そして場所を選べるようにしました。例えばですが、「子どもがまだ小さいので週3日の勤務にする」「子どもが夏休みの間は在宅で仕事をする」「子どもの学校行事に参加した後、北海道出張に直行する」などなど。もちろん、子育て中の従業員以外にも、多様な働き方が認められています。

社長の青野自身が父親となったことも、ワーク・ライフ・バランスを本気で考える追い風となりました。

2.子育て中の社員にも嬉しいさまざまな制度を導入

「働き方の多様化」を進めるにあたり、働く時間や場所の自由化のみならず、副業(複業)OK、育自分休暇(再入社制度)など、14の制度を導入しています。

その中で、子育てに関連するものと言えば、例えば、「最大6年の育児休暇」制度があります。これは、育休に入る社員が「子どもが小学校に入るまで育児に集中できたらいいな」と話したのが始まりで、期間が一番長い社員では4年8ヶ月の育休取得後に復帰をしています。この育児休暇は、男性・女性を問わず取得可能。また、女性社員は妊娠をしたことが分かったらいつでも産休をスタートできる仕組みになっています。これにより、出産を理由に辞める社員はゼロに。


また、サイボウズでは子連れ出勤もOKなんですよ。こういう風土の上で、女性社員比率は約4割に上昇。子育て中のママ社員が執行役員(管理部門長)に就くことも。

その結果、誰もが働きやすい職場となり、離職率は28%から4%台にまで改善。「働きがいのある会社」に6年連続ランクイン(中規模部門)するような会社に変わることができました。

3.「育児は市場創造である」という社長の強いメッセージ

以前は、会社に寝泊まりをするような働き方をしていた社長の青野ですが、2010年に長男が誕生した際に2週間の育児休業を取得しています。翌年の次男誕生の際は、半年間、毎週水曜を育休日に。そして、2015年に長女が誕生したあとは、半年間、16時に退社をするという毎日を続けました。実は、この16時退社という形が、ご家族には一番評判だったとか。その当時の青野のスケジュールがこちらです。

この3度の育児休業を経て、青野が学んだことは次の3つであるそうです。一つ目は、「自分に父性がある」ということ。二つ目は、「育児は大変だ」ということ。24時間365日、いつ呼び出しがあるか分からず、超重労働かつ失敗できないプレッシャーのある育児の大変さを身をもって経験しています。三つ目は、「育児は大切だ」ということ。

青野は「自分の子どもが成長して大人になれば、私たちの製品を購入する顧客になる可能性があるんだ」と話します。逆を言えば、この世界に子どもたちが育たないと、市場が縮小するという事実があるんです。つまり育児は、市場創造であり人類の未来創造。育児は仕事より大事だ、人類最大の仕事だ、と気づいたというのです。

トップの青野がこのような考えを持ったことで、例えば、男性社員が上司へ「妻が妊娠したんです!」と報告したとき、「おめでとう。じゃあ、君はいつから育休を取る?」という会話が自然に交わされるような職場となりました。

4.これからの時代は「チーム戦」で人を活かす

働き方の多様化を進める際、同時に業績を上げていくという点において、非常に重要となるのが「チームワーク」であると私たちは考えています。みんなが「個人戦」をしていたら、育児や介護などで制限がある人を活かすことができません。例えるなら、石垣を作るようなイメージで、人の個性を活かすのです。

チーム戦ができるように、制度・ツール・風土を整え、メンバーが共通の理想に向かって役割分担をし、連携してワーク(活動)ができるよう、コミュニケーションを徹底していきます。その結果として、サイボウズでは、働き方が旧来であった時期に比べると売上2.5倍という数字を出すことができたのです。

【編集部】そんなサイボウズの方針に共感し、入社を希望する人材は、中途だけでも年間2,000人を超えるのだとか。人材不足を乗り越えて、このような売り上げを伸ばすようになった同社の実績は、徳島の企業にとっても大きなヒントとなるのではないでしょうか。

※このセミナーの様子は動画でも公開しております!
20分弱とコンパクトにまとめておりますので、ぜひご視聴ください。
https://youtu.be/dOzBMc7n75Y

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さいちゃん

さいちゃんワイヤーママ編集部エディター

投稿者プロフィール

美味しいお店、楽しい場所があると聞けばどこまでも駆けつける、好奇心旺盛なミーハー女子。プライベートでは3歳児のママでもあるため、子連れで行けるスポットにも興味津々。泳ぎ続けていないと死んでしまう回遊魚のように、毎日忙しいのがダイスキ。

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